「あの、朝食冷めちゃうので食べてください」
「あ、そうだね。じゃあ、いただきます!」
先輩方が食べてくれて、少しホッとする。
私も食べなきゃいけないから、聖君の隣に座らせてもらって食べた。
「美味しい。由妃ちゃんって料理上手だね」
「いえ、そんなに上手じゃないですよ。人並みです」
「これで人並みとかレベルが高い気がするけどな。まぁ、白嶺の場合はきっと謙虚というより自覚がないだけだろうな」
「それは言えてる。由妃は昔からそうだから」
えっと……
でも、本当に私は人並みだ。
小学生の時からお母さんの手伝いをしていて、留学していた時にはなるべく自分で作るようにしていたから。
でも、ちゃんと教わったわけじゃないからそんなに凝ったものは作れない。
私より上手な人なんてたくさんいるよね。
「本当に人並みですよ?私より上手な人なんてたくさんいます」
私の言葉で少し沈黙が流れた。
その沈黙に何か変なことを言ったかと不安になってくる。
「何言っても無駄っぽいなー」
「うーん、大変だね。無自覚さんって」
「そこら辺は突っ込まない方がいいかもな」
「由妃だからね」