「黎、穂希、霖。由妃を好きになるなよ?」


「それは分からんが、お前以上に好きになることはないな」


「うん、言えてる!聖一をこんな風にはせた由妃は本当にすごいなー」


「大丈夫だよ。僕達、なるべく好きにならないようにするから。絶対とは言い切れないけど」


誰も絶対好きにならないとは言わなかった。


もしかしたら、由妃のことを好きになるかもしれないという可能性を考えているからだろう。


「お待たせしました。できましたよ」


そこに料理を持った由妃がやってきた。


「由妃、手伝う」


「ありがとう、聖君」


にっこりと笑った可愛い笑顔。


その笑顔に見惚れつつ、配膳を手伝った。


由妃のためなら、俺も動く。


並べ終わると、席に座った。


由妃は箸を持ってくる。


「はい、どうぞり冴木先輩達にも配ってね」


箸を手渡され、黎達にも配った。


由妃が席に着くと、皆で手を合わせて。


「「「いただきます」」」


由妃の手料理は久しぶり。


食べてみると、とても美味しかった。


「美味い」


「美味い!」


「美味しいよ」


「うん、本当に美味しい」


「それはよかったです」


由妃はホッとしたようににこにこしてる。


それが本当に可愛かった。


由妃の手料理は本当に美味しくて、ペロリと平らげてしまった。


由妃の手料理が毎日食べれると思うと、幸せだ。


ずっとこうなったらいいのに。


由妃を見ながら、そう思った。