言われなくても、俺はする。
黎達もやると言って、皆で俺達の寮へと運んだ。
由妃は最初遠慮してたけど。
霖がカードキーを取り出してくれて、中に入った。
「由妃の部屋は俺の隣ね」
そう言いつつ、俺は聞きたいことがあった。
「由妃、俺が園内案内するよ」
「あ、うん。ありがとう」
由妃はそれが分かった上で頷いてくれてるみたい。
「先輩方、運んでくださりありがとうございました。結局、私が1番持ってませんでしたけど」
「わざわざお礼なんて言わなくていいよ?」
「そうそう。僕達がしたくてしたんだから。あ、その案内僕達にもさしてよ」
「そこは空気を読んどいた方がいいんじゃないか?驚いてたとこ見る限り、久々の再会だろうし、いろいろ聞きたいことがあるだろ」
わざわざ言わなくてもいいのに、ちゃんとお礼を言う由妃。
由妃は礼儀正しくて、本当にいい子だ。
霖が案内を一緒にしたいと言った時は2人きりになりたいと思ってしまったけど、そこは黎が気を遣ってくれた。
ありがとう、黎。
「最初は1番近い理科室から見ていこう」
「うん」



