無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!



「あ、ってことは君なんだ?聖一がずっと好……」


「それ以上余計なこと言うなよ」


由妃が俺を幼馴染みと言った瞬間、余計なことを言おうとした穂希。


いつか俺から言おうと思ってるんだから、穂希は言わないでほしい。


まぁ、穂希に限らずだけど。


「思いっきり話逸れてるけど、ちゃんと自己紹介しなさい」

 
呆れたように理事長先生に言われて、俺達は次々と名乗った。


そんな俺達に礼儀正しくお辞儀までした由妃。
 

由妃は相変わらずいい子だな……


気にしなくていいと言った黎達にありがとうございますと律儀にお礼を言って、にっこりと笑顔を向ける。


その笑顔はめちゃくちゃ可愛くて。


その笑顔を向けられた黎達は赤くなった。


穂希と霖はまだ分かるとして、黎まで……


もしかしたら、もうすきになってるかもしれない。


俺以外の奴に笑顔をできるだけ向けないでほしい。


そう思った俺に自分で呆れた。


独占欲が強すぎる。


「……ヤバいな」


「めっちゃ可愛い!」  


「破壊力すごいな……僕、大丈夫かな」


それを聞いて、ムッとしてしまった。


俺、年上なのに由妃より子供だな。


それに気づいて、自分が本当に嫌になってくる。


理事長先生が話を戻して、由妃の大量にある教科書を持ってやれと言われた。