ただこの子が本当に由妃なのか分からなかった。
もし由妃が帰ってきていたなら、何で連絡してくれなかったんだ……?
じっと思わず見つめてしまった。
俺の視線に気づいた彼女と目が合う。
彼女は何で俺に見られてるのか分からないって顔をしていた。
そんな表情も由妃に似てる。
考え込んでいると、黎達も彼女の方を見ていて。
整っていると黎までも言っていた。
「いい加減にしなさい。ほら、生徒会長も何か言って」
「あぁ、はい」
今度は彼女の方が俺を見ていて、また目が合う。
でも、先にそらしたのは彼女の方で。
「あ、えっと。私の名前は白嶺由妃です。よろしくお願いします」
えっ……
「由妃……?」
本当に由妃なんだろうか……?
「うん、そうだよ。聖君、久しぶり!」
にっこりと笑ったその表情は完全に由妃で。
久しぶりの由妃の可愛い笑顔に胸がドキッとした。
知り合いかと聞かれた時に、俺と由妃は幼馴染みだと由妃がはっきり口にして、少しがっかりしてしまった。
確かに俺達は付き合ってないし、そう説明するしかない。
それでも、俺は幼馴染みとしてしか思われてないんだと自覚して、勝手に落ち込んでしまう。



