「……由妃はきっと嘘の告白だと思っただろうけど、あれは俺の本心だから」


「えっ?」


一瞬何のことだろうと思ったけど、嘘の告白と言ったことから多分特別競技のこと。


聖君は本心って言ったよね……?


えっ、てことは……


聖君の言葉を思い返して、じわじわと赤くなっていく顔。


逸る心を押さえて、聖君を見る。


「由妃と初めて逢ったあの時から、俺はずっと由妃のことが好きだよ。今まで言えなかったけど、ようやく決心がついた。由妃、俺と付き合ってほしい」


まるで夢みたいだった。


妹としてしか見てないと思ってたのに、まさか逢った時から好きなんて……


「わ、私も……私も聖君のことが好き。だから、こちらこそよろしくお願いします」


何とか返事をすると、聖君は嬉しそうに笑う。


「よかった……じゃあ、今から俺と由妃は恋人ってことで。よろしく、由妃」


「うん……」


あまり実感が湧かず、ほわほわとしてる。


聖君と恋人になれるなんて夢にも思わなかった。
今回以上記憶に残る体育祭なんてないんだろうなぁ……


ドキドキの体育祭はこれにて幕を閉じた。