【聖一side】


俺の性格を一言で表すなら、無気力。


何に対しても、特に関心がなかった。


勉強とか、運動とか、特に頑張らなくてもいい結果を残せた。


つまらない世界だなと、俺は昔本当にそう思っていたんだ。


でも、色がなかった俺の世界をあの子は色づけてくれた。


俺が唯一好きになった女の子、その子の名前は白嶺由妃。


由妃以外いらない。


興味がない。


俺はこんなにも由妃を好きになってる。


もう由妃がいない世界には、きっと戻れない。


そんな時、由妃の留学が決まった。


もちろん俺は嫌だったけど、止める権力者なんて俺にはない。


留学は由妃が決めたこと。


俺は応援するしかない。


由妃が留学してしまったら、また俺の世界は色のない世界に戻った。


毎日がつまらない。


由妃に逢いたい……それだけが俺の中で積もりに積もっていった。


由妃がいなくなってから約1年が経って、俺は高校から全寮制の白百合学園に入った。


特に楽しいと思ったことはなかった。


何事にも興味が湧かなかった。


「あの、皇君が好きです!私と付き合ってください!」


ある時は告白された。


告白されるのも慣れていた。


失礼かもしれないねど!こんな時思い浮かぶのは由妃のことで……


この子が由妃だったら、よかったのに。


由妃が俺に告白してくれたら。