その応援の声に応えてか、ぐんぐん聖君は抜いていきあっという間に最下位から1位となった。


歓声、というか悲鳴が大きくなる。


1位のままゴールテープを切った聖君に割れんばかりの拍手が起こった。


「聖一様、ヤバいくらいかっこいい!」


「今回のMVPは絶対聖一様でしょ!」


女の子達の言葉にうんうんと頷く。


凄くかっこよかった……


少女漫画だったら、絶対聖君にキラキラトーンが貼られていると思う。


色別リレーの順位としては1位は赤組、2位桃組。


赤組は見事、優勝を勝ち取ることができた。





後夜祭はもう始まっていて、ファイヤーストームの周りで皆楽しそうにしている。


今は誰もいない教室。


私はお茶を飲むために教室に来ていた。


「由妃、今いい?」


「聖君。うん、大丈夫だよ」


その時、聖君に話しかけられ、大丈夫だと頷いた。


真剣で、何かを決意したような顔をしてる聖君。


今から私は何を言われるのかな……?


緊張してきた……