その応援の声に応えてか、ぐんぐん聖君は抜いていきあっという間に最下位から1位となった。
歓声、というか悲鳴が大きくなる。
1位のままゴールテープを切った聖君に割れんばかりの拍手が起こった。
「聖一様、ヤバいくらいかっこいい!」
「今回のMVPは絶対聖一様でしょ!」
女の子達の言葉にうんうんと頷く。
凄くかっこよかった……
少女漫画だったら、絶対聖君にキラキラトーンが貼られていると思う。
色別リレーの順位としては1位は赤組、2位桃組。
赤組は見事、優勝を勝ち取ることができた。
*
後夜祭はもう始まっていて、ファイヤーストームの周りで皆楽しそうにしている。
今は誰もいない教室。
私はお茶を飲むために教室に来ていた。
「由妃、今いい?」
「聖君。うん、大丈夫だよ」
その時、聖君に話しかけられ、大丈夫だと頷いた。
真剣で、何かを決意したような顔をしてる聖君。
今から私は何を言われるのかな……?
緊張してきた……



