周りからは悲鳴が上がっていて、さっきよりも盛り上がっていた。
心臓が壊れちゃいそうなくらい高鳴ってる。
今、顔が絶対真っ赤だよ……
嘘だとしても、ドキドキしないわけがない。
ドキドキしすぎておかしくなりそう……
判定はもちろん合格で、4人ともハートの札を挙げていた。
「由妃、走るよ」
「……うん」
頭があまり働いていない状態で何とか頷く。
いつの間にかゴールしていた。
どうやら、私と聖君は1位だったみたい。
「ねぇ、由妃」
「な、何?聖君」
聖君の顔が見れなくて、少し俯きながら聞いてみると……
「後夜祭の時、少し時間を取ってくれない?伝えたいことがあるから」
伝えたいこと……
何だろう……?
「う、うん、分かった」
「ありがとう、由妃」
聖君の伝えたいことが気になり、ずっと頭の中でくるくると回っていた。



