周りの人はヒューヒューと持て囃し、凄く盛り上がっていた。
1発で行ける人もいれば、1発では行けず告白のやり直しをする人もいる。
これは男性側が大変そう……
最後の人がようやくゴールし、次は私達の番。
「由妃、いい?」
「う、うん」
聖君の伺いに頷くと、お姫様抱っこをされた。
途端に上がる悲鳴。
「聖一様が王子様の格好でお姫様抱っことか……」
「めちゃくちゃ似合うんだけど!」
それは私も同じ気持ちだった。
スターターピストルが鳴ると同時に走り出した聖君。
しかもあまり揺れず、あっという間に黄色いコーンが置かれている中間地点にたどり着いた。
マイクを取った聖君は私の方を向いて……
「好きだよ、由妃」
聖君らしいシンプルな告白を真剣な顔で言われた。



