残念ながら正木先輩達は最下位になってしまったけど、幸せそうだった。
なんて思っていると、スターターピストルの音が聞こえて意識を前に向けた。
聖君が1番早く紙が落ちている場所にたどり着いた。
聖君……
紙に書いている内容を見た後、私がいる方向に走り出した。
目が合い、その真剣な表情に思わずドキッとしてしまう。
「由妃!」
聖君が私の名前を呼んだ。
本当に私が……?
「由妃、呼ばれてるじゃない!」
隣から幸ちゃんの興奮気味の声が聞こえてきた。
聖君が手を伸ばしてきて、迷わずその手を取った。
「走るよ、由妃」
「う、うん」
手を繋いだ瞬間、周りから悲鳴のような声が上がった。
聖君のスピードは速くて、あっという間にゴールテープを切った。
赤組から歓声が上がったから、どうやら1位みたい。



