「白嶺です。手伝いに来ました」
そう一言告げてから、中に入った。
「あっ、由妃ちゃん!」
「今日も来てくれてありがとう、由妃ちゃん」
「ほんとすまないな、白嶺」
「由妃にしては遅かったね」
「確かにそうだよね。すみません、遅くなりました」
口々に声をかけてもらって、時計に目を向けてみると、いつもより30分も遅かった。
どれだけあそこでぼんやりとしてたんだろう……
「いやいや!本来由妃ちゃんが手伝う必要はないんだし、謝んなくていいから!」
「もう、聖一君が余計なこと言うからだよ」
「あー、ごめん。本当に由妃は謝らなくていいよ」
何故か聖君が軽く怒られてしまった。
聖君の指摘は合ってるのに。
「そういえば、聖一も今日は遅かったな」
冴木先輩の呟きに、理由を知ってる私はドキリとする。
「あー、そういえばそうだね」
「聖一って何だかんだ1番に来てるもんなー。あ、もしかして、告白でもされてた?」
その鋭い指摘に私の方がビクッとしてしまう。
こっちの方を注視してる人はいないから、多分気づかれてないと思うけど……



