無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!



「ごめん、無理」


その告白に対する返事。


聞き覚えのある声に、バレないように身を乗り出した。


そこにいたのは、とても可愛い女の子と……聖君だった。


まさか、告白されてるのが聖君なんて……


「あの、どうしても無理ですか?」


「うん、無理。その理由は君も分かってるはずだけど」


モヤモヤと消化しきれない想いが心の奥で燻った。


どうして、こんな気持ちになるんだろう……?


今まで聖君の人気を目の当たりにしても、こんな気持ちにならなかったのに……


「分かり、ました。わざわざ聞いてくださりありがとうございました!」


明るくそう言って去っていったけど、私の角度からは見えちゃった。


その女の子の目から涙が流れていたのを。


……もしかしたら、聖君は気づいてないかもしれないけど。


聖君はほに女の子が去っていった方を少し見つめた後、そのまま階段を上っていった。


私が見ているのにもきっと気づいてない。