「いや、由妃が手伝ってくれることで俺達は助かってるけど、由妃はいいのかなと思って」
「私が手伝うことで助かってるなら、嬉しいよ。聖君達が大変なのは知ってるから、少しでも負担を減らしたいの。だから、私のことは気にしなくていいよ。やりたくてやってるんだから」
由妃の優しさ溢れる言葉にジーンときた。
黎達も多分一緒。
ほんと優しすぎるくらい優しいよな、由妃は……
「こりゃあ、無理だなー」
「うん、僕も」
「白嶺は性格いいよな」
意味深なセリフ由妃は理解出来ていないようだけど、俺には分かった。
穂希や霖は由妃のことが好きだ。
……多分黎も。
整ってる容姿に、この性格の良さ。
好きにならずにはいられないくらいの魅力を持ってる由妃。
そんな由妃を俺はずっと想ってきた。
簡単に奪わせはしない。
「ありがとう、由妃」
「ふふっ、どういたしまして」
至近距離の優しく綺麗な笑顔に見惚れながら思う。
やっぱり誰にも渡したくない。
由妃が俺のことを好きじゃなくても、いつかは……



