「くだらないこと言ってないで、さっさと食べれば?」
「あぁ。いただくとするか」
全員分用意してあるから、皆で席に着いて。
「「「いただきます」」」
手を合わせて、一斉に食べ始めた。
「うまっ」
「美味しい」
「美味いな」
「うん、美味しい。聖君って料理上手だね」
「なら、よかった」
見た目通り、ううんそれ以上に美味しかった。
女の私よりも料理が上手かもしれない。
聖君は何でも完璧でずるいな……
「くっそー。料理も出来るとか、聖一って弱点ないのか……」
「いや、あるっちゃあるんじゃない」
「あぁ。聖一にとって唯一の弱点と言えるな」
そう言って、何故かこっちを見た。
どうして、私を見るんだろう……?
っていうか、聖君の弱点って……
何でも完璧にこなす器用な聖君に弱点なんてあるのかな……?
「あぁ、そっか!由妃ちゃんが弱点か!」
……私?
「……そんなことより、さっさと食べろよ」
意味が分からない私は詳しく聞こうとすると、まるで詮索をするなと言わんばかりに口を挟まれて口を閉じた。
それから、あまり話さず食べ進める。



