何からどう話せばいいのか
そしてこうなった経緯(いきさつ)を説明するには、氷彗にまで私の胸の話をしないといけないという事で…
それは避けたい。

だって急に野獣と化してしまった壱琉のスイッチは、さっきの《《アレ》》でまず間違いないのだから。
そんな説明までしたら
氷彗にまで幻滅させられかね――――

「詩菜の裸を見たら興奮した」

って、うおぉぉぉぉぉい!!!
何を ちゃっかり涼しい顔して
とんでもない告白してんだ、このアホは!

「え…裸って…」

みるみる氷彗の表情が緊張したものに変わっていく。

「なかなか良い胸だったぜ」

あー…それ以上はやめてくれ。
私の名誉のためにも…
何も言わないでくれ…

「壱琉…
 まさかそんなところまで…」

氷彗の問いに
大きく頷くバカ壱琉に
心底ショックを受けた私は。

「もう嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

大絶叫しながら
ガクンとその場に崩れ落ちたのは言うまでもない。

お願いだから今すぐ記憶から抹消してほしいです。

そしてどうして彼等は(ここ)にいるの?
仕事が遅くなるんじゃなかったの?


私はその疑問を
タオル1枚の現状で聞いてみる事に。

「2人とも帰ってくるのが早かったんだね」

すると
最初に答えたのは、壱琉だった。

「アンタが心配だったから」

「えッ…?」

ドクンと一瞬、心拍が上がる。