まぁ怒られて当然だ。
連絡先を知らないなんて初歩的なミスに加え
氷彗を捜して色んな場所を点々と歩き回り
挙句、待っていようと決めた場所が禁断の区域で
自ら足を突っ込んで、見事に罠に引っ掛かったのだから。

そりゃ誰だって怒るか…。

「でもよく見つけてくれたね。
 私がここにいるって、どうしてわかったの?」

「わかったって言うか…
 ここにいなきゃ良いなって思っただけ。
 それなのに本当にいるんだから…勘弁してよ」

大きな溜め息と共に
『危機感を持ってよ』と説教が続くが
心配してくれているのはわかる。

「…久しぶりに焦ったよ。
 一歩遅かったら危なかったんだからね」

「ご、ごめん」

氷彗もホッとしているのは伝わってくる。
それに、必死に捜してくれていたんだなって
言葉の節に感じる。
この人はたぶん
決して他人に興味がないわけじゃないのかもしれない。
ただの私の勘だけど。

そして私達は無事、家路に到着。
先に帰っていた月影さんに
氷彗の口から今日の出来事を説明し――――

「バッカじゃねーの!?」

『ブハッ』と噴き出したかと思えば
お腹を抱えて大爆笑。

おいおい、笑いすぎだろ。

「迷子になった上に
 知らねぇ男に連れ去られそうになったとか
 良い歳して何やってんだか!」

えぇ、仰る通りですけども。