『どのような関係ですか』って
めちゃくちゃ怖い質問に聞こえますって。
それはいったいどういう意味なんですか…なんて、聞くの無理よ。

「ど、どういうと言われましても…
 先日、本人からも説明があったように
 私は彼に雇われている身でして…」

「《《囚われ》》の身!?」

「《《雇われ》》の身です」

囚われてどうするよ。
私はお姫様か何かですか。

「家政婦…って事です?」

「まぁ…そういう感じですね」

「住み込みで?」

「え、えぇ…」

「同じ1つ屋根の下?」

「まぁ…」

「氷彗くんと3人で?」

「・・・。」

攻める攻める。
グイグイ来る質問攻めに圧倒されてしまい
最後はもう何も言えなくなった。

「壱琉と氷彗くんの2人で住んでいるのかと思っていましたが、この前こちらにお邪魔したとき貴女がいて驚きました。
 私は何も知らなかったんですね」

怒っているのは言葉の節々から重々伝わってくる。
満面の笑みで言うものだから余計に怖い。
彼女は私にどんな答えを求めているの?

「ちなみに…
 詩菜さんのお部屋はどちら?」

そう言って2階に目を向ける彼女に合わせるように私も見上げ、つい正直に答えてしまった。

「えっと…あの真ん中が…」

「…そう。
 壱琉と氷彗くんの間…なんですか」

「え。」

ピシャリと亀裂の入る音が聞こえた…気がした。