【第2土曜日】 
 2週間続けて留守にしたので郵便物が溜まっていた。重要な物は無くほとんど広告類だった。
 月に数日しかこの部屋には戻らないけれど、10年借り続けている。ボーイフレンドのうちの誰かの部屋に引っ越す? だめだめ、絶対に面倒なことになる。彼らにだって自由が必要だもの。
 さて、少し片付けをして着る物をパッキングしたら、次は誰の部屋に行くんだっけ? えーっと今日は何曜日? 土曜日か。たまには週末家に居ようか。日曜日の夜に…力は家に居るかしら、と麻衣子はスマホを手にして力にLINEした。
《月曜日から韓国に出張。帰りは水曜日の夜。留守の間居てくれても構わない》
 と返事が来た。
 どうせ散らかっているだろうから片付けをして待っていてあげようか。
 雑誌社でカメラマンをしている力とはタイミングが合わないので滅多に会えない。水曜日に戻って来るなら週末までは一緒に居られそうだ。韓国土産は何だろう。何も言わなくてもサイズがピッタリのセンスの良い靴を買って来てくれたりするから、そんな力が麻衣子は好きだ。