きらめく星と沈黙の月

「今回はどうにかなったかもしれないけど、期末はそうはいかないからな」


「……期末も勉強会開いてくれない?」


碧がいたらどうにかなりそう。


実際、今回もなんとかなったし。


「それは無理だなー。甲子園の予選の時期だから」


そっか…予選か。


「甲子園がかかった大会だし、負けたら先輩たちは即引退。呑気に勉強してる場合じゃない」


碧の目が燃えている。


私が邪魔するわけにはいかない。


甲子園は碧の…高校球児の…夢だから。


「自力で頑張るね」


「おう。頑張れよ」


「……碧も…」


“碧も頑張ってね。応援してる”


そんなこと、私が言っていいのかな。


「…なに?」


「……碧も…赤点取らない程度には勉強しなね」


言えなかった。


私は…〝碧という球児〟には関われない。


「桜子に心配されるなんて、世も末だな」