きらめく星と沈黙の月

自分の体なのに、思ったように動かなかった。


頭では集中しないといけないことは分かってたのに、心がついていかなかった。


そのことが、こんなに分かりやすく結果に表れたこともショックだった。


いかに自分が弱くて、脆いかを突きつけられた。


「碧?聞いてるか?頭上げろって」


「…すいません」


俺さえ崩れなければ。


俺がちゃんと抑えていれば。


1回で5点も取った藤北は、心理的にもかなり有利だった。


なのに…。


「この負けで甲子園への道が絶たれたわけじゃないんだし、気にすんなって」


「……そうっすね」


この負けを次に活かせばいい話。


これは甲子園への予選じゃない。


そう理解はしていても、やはりショックだった。