きらめく星と沈黙の月

バックネット裏が気になって気になって集中できない。


いつもは気にならない歓声も、やけに耳に障る。


栗との意志疎通も思うようにいかない。


見かねた栗がマウンドに駆け寄ってきて、内野手が俺を取り囲む。


「碧、落ち着け。お前はお前らしくやりゃあ大丈夫だから」


「俺らを信じろ。お前が打たれても、俺らが死ぬ気で捕りにいってやっから」


背中の1番を先輩方が叩く。


「それに、点取られたって、取り返せばいーんだよ。何も心配することはない」


「俺らは5点もリードしてんだ。大船に乗った気持ちで投げろって。な?」


「……そうっすよね」


そうなんだけど。


思うようにコントロールが効かない。


思わぬところにズレてしまう。