きらめく星と沈黙の月

「あれ?今日の電車混んでるね」


「走ったから一本早いのに乗れたんだな」


「碧のせいだ」  


「はいはい」


小さな体で必死に押しつぶされまいとしている桜子を見ていると、守ってやりたいたくなる。


小学生の時、俺のせいで桜子が女子とトラブったことが何度もあった。


その度に桜子を泣かせていたのが申し訳なくて、距離を取ろうかと考えたこともあった。


でも桜子は、俺から離れなれていかなかった。


そういう健気なところとか、ピュアなところとか、桜子のすべてを守りたい。


…って桜子に言ったらドン引きするんだろうな。


桜子にとって俺は、ただの幼なじみで、それ以上でもそれ以下でもない。


そのことに何故だかモヤモヤする自分がいるんだ。