そう言いながら碧がおサイフを取り出した。


「お金は自分で払うって」


「サイフ持ってないだろ」


そうだった…。


荷物は全部碧ん家に置きっぱなしだ。


そうこうしているうちに碧が払ってくれた。


忘れずに返さなきゃ…。


「チョコレートブラウニーです」


「ありがとうございまーす」


待ち時間も短く、店員さんから受け取ったクレープからはいい香りがする。


「おいしそーっ!いただきまーす!」


かぶりついたクレープは、他店とは比べ物にならないくらい美味しい。


「しあわせ~」


久しぶりにこんなに美味しいクレープ食べたかも。


近くにこんないいお店があったんだなぁ。


「碧も一口食べる?」


「いいよ。全部桜子が食べな」


「でも、この美味しさを共有したい」


なんだそれ、と笑いながらもクレープを受け取って一口食べてくれた。


「どう!?めちゃくちゃ美味しいでしょ?」