きらめく星と沈黙の月

「うわっ、重てぇ。こりゃいい筋トレになるわ」


「失礼なっ!女子に向かって何てことを」


言葉とは裏腹に危なげなく発進した自転車は、あっというまに近くの急な下り坂に差し掛かる。


「しっかり掴まってろよ」


言われなくてもそのつもりだ。


どうせこのバカ男はブレーキをかけない。


碧の腰に手を回してギュッとしがみつく。


数年ぶりに抱きついた碧の体は、高校球児らしく分厚かった。


ガッチリしていて、筋肉質。


しっかり“男”だ。


ドドドドド…と脈拍が異様に速くなっているのが分かった。


碧にバレてない…よね?


「今の坂、ブレーキかけずに下りたら超気持ちいいだろ?」


「あ……うん、そうだね」


正直それどころじゃなかったんだけど…。


何故かドキドキするんだ。


碧の近くにいると、ドキドキする。


なんでなんだろ…。