きらめく星と沈黙の月


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優勝候補が姿を消した。


このことは地元紙で大きく報じられ、藤北の名はさらに広まることとなった。


【藤北悲願の甲子園出場か!?】


日を追うごとに膨らむ期待とプレッシャー。


以前までの碧なら、負けてしまっていたかもしれない。


でも、今の碧は違う。


メンタルが脆い碧はもういない。


碧はたしかに強くなった。


夏らしい真っ青な空の下で、今日も藤北ナインは戦っている。


今日は先攻だ。


「やべぇ…緊張が…」


栗ちゃんが吐きそうな顔をしてベンチを歩き回っている。


「バーカ、今さら緊張してどーすんだよ」


と言う碧の顔も、少し強ばっている。


それもそうだ。


甲子園は、この夏1度も負けなかったチームだけが行ける特別な場所。