きらめく星と沈黙の月

「バカ、準決勝の序盤に泣くやつがあるか。記録ミスったら甲子園の記録員には選ばねぇかんな」


先生は、ベンチに置いてあったボロボロのタオルを無造作に押しつけてきた。


「きったねータオルで悪いな」


「いえ…ありがとうございますっ」


甲子園出場を確信している発言が嬉しかった。


先生も碧たちを信じてくれている。


楽観的な発言を許さない厳しい齋藤先生が言ったことに意味があるんだ。





9回表まで1-1の均衡状態が続いた。


さすがの準決勝ともなると、簡単には勝たせてくれない。


回を重ねるごとに、ベンチに戻ってくる碧の顔には曇りが表れてきた。


けど、なんとか失点を1にとどめ、繋ぎ止めてくれている。