目の前で藍沢が大粒の涙を落としている。


「…あんたは、桜を傷つけた。何度も何度も…っ!なんで気づかないの!?なんで桜を信じなかったの!?

あんたは自分のことしか見えてない!!桜のことを見ようともしない!!そんなに自分が可愛い!?頑張ったのに報われなかった自分が可哀想?だから桜のことはどうでもいいって!?ふざけんじゃないわよ!!

桜が隠蔽を強要するような人間だとホントに思ってたの!?あんた何年桜と一緒にいるのよ!!!!あんたが気づいてあげなくてどうするの!?あんたが守ってあげなくてどうするの!?桜のことはあんたしか守れないんだよ!!!!」


藍沢の叫びがフロア中に響いた。


“おめでとう…っ、碧!”
“夢が叶ったんだね…”

“ごめんなさい”
“ごめんね…”
“本当にごめんなさい”

“碧の夢を壊したくなかった”


桜子は…どんな思いで頭を下げて…どんな思いで俺の刃を受けていたんだろう。


「桜はね…ずっとずっとあんたのことを守りながら生きてきたんだよ…。自分のことよりもあんたのことばかり優先して…っ。桜の思いはいつになったら報われるの…?あんたはいつもそうなんだよ…っ。いつも桜を傷つける。ずっと近くにいるのに桜の本当の気持ちに気づかない…っ。幼なじみ失格だよ…!」