やらなきゃいけないことは他にもある。


部員の様子だって観察したい。


鈴宮さんを睨み付けて立ち去る私の背中に、構わず話を続ける。


「手に入りそうにないものに興味はない。その代わり、壊したくなる」


「…何言ってんの?」


まるでお子ちゃまだ。


欲しいと言ったオモチャを買ってもらえなくて、駄々をこねて部屋を散らかす。


この女がしてるのはそういうことだ。


「誰も私に構ってくれないから寂しいんです。だから、壊したい」


「…精神年齢5歳児なの?」


何が面白くてニヤニヤ笑ってるんだろう。


この女の思考だけは一生かけても理解できない。


「でも、先輩はそんな5歳児の言いなりになるんですよ?」


「はぁ?」


「だって、秘密バラされたくないでしょ?だったら私の言いなりになってくださいよ」


ふざけたことを…。


なんで私がこんなやつに…。