発表があったら齋藤先生から連絡が入ることになっている。


私たちは四人とも机の影に隠れてスマホの画面はつけたままにしている。


先生も気づいてるんだろうけど、何も言わないでいてくれるんだ。


甲子園が目の前にある状況が初めてだから。


もうすぐ夢が叶うかもしれないから。


「碧……」


碧はもはやスマホを隠そうともせず、堂々と握りしめて祈っている。


どうか碧に夢を…。


頑張ってきたから。


誰よりも努力してきたから。


お願い…神様…。


─ブブッ


バイブ音と共に映し出された文字。




【出場が決定した。これからが本番だと思え】




「嘘…っ!!碧!!!」


ガタッ!!


「やったよ碧っ!!甲子園っ!!決まったよ、碧!!」