何が碧を支えたい、だ。


野球から逃げたくせに。


碧から逃げたくせに。


孤独に苦しむ碧に気づかず、球場を去ったくせに。


「皆“行事だから気にすんな”って慰めてくれたけど、俺は行事だから負けてもいいだなんて思いたくない」


碧はどこまでも碧だ。


「碧のそういうところ、好きだよ」


「……。…そういうセリフは彼氏に言ってくれ。俺に言うな」


「なんでよっ。事実なんだからいいでしょ。ありがたく受け取りなさいよ」


顔を赤くして照れてる碧を見て、少し安心した。


「何がありがたく受け取れだ。さては、彼氏ができないから俺で練習してんだろ」


「なわけないでしょ!ばか」


「さすが、モテない女は違うねぇ」


「言ってくれんじゃん。このタラシ!」


「モテねぇよりマシだなー」 


「タラシに言われたくないね!碧のバーカ」


「桜子のアーホ」


「ムカつく…」