表の顔の鈴宮さんは、指示がよく通る仕事のできるマネージャーだった。


部員からも好かれ、齋藤先生にも頼りにされる立ち位置を確立するのに時間はかからなかった。


部内の雰囲気はまだ良好に保たれている。


けど…。


「いつまで続くんだろ……」


まるで瑠璃を見ているみたいで毎日が不快だ。


立ち回りが上手くて、誰にでも好かれていた瑠璃。


まるでそっくりだ。


鈴宮さんを見ていると、瑠璃を思い出して精神がもたない。


鈴宮さんの本性を知っているのに、何も言えない。


言ったところで信じてもらえない。


このままじゃ気が狂ってしまいそうだ。


唯一の救いは、陽菜と大雅が味方でいてくれること。


「はぁぁ…」