「ふざけんじゃないわよ…っ!!あんたに何が分かるの!?毎日毎日キツイ練習をこなして、必死になって技術磨いて、悔しい思いもして、それでも夢を諦められなくて、ずっとずっと頑張ってきたのよ!!私たちは真剣に野球をやってるの!!バカしないで!!!」


ひっぱたいてやりたいくらい腹が立つ。


許せなくて、とにかく許せなくて、怒りの涙が込み上げてくる。


「…美しい夢物語ですね。憧れちゃう」


鈴宮さんは、冷めた目で私を睨み、口角をキュっと上げる。


この人に何を言ったってムダなんだ。


この子は瑠璃と同じ。


人が傷つくことをどうとも思わない子なんだ。


「もういい。二度と私の前に現れないで」


それはどうかな、という呟きを断ち切るように教室のドアを閉め、自席に突っ伏す。