まぁ…夢にも思わないよね。


私が碧を好きだなんて…。


「あらそぉ?てっきり両想いなんだと思ってたんだけどな~」


「はっ?もういいっていいって。そろそろ飛行機の時間だろ?父さんも待ってるって」


碧が菜摘さんを追い出し、バタンとドアを閉める。


なんとなく気まずい空気が流れ、バットを磨く音だけが響く。


「末長くお幸せに~!またね~桜ちゃん、碧ー!」


大きな声で叫びながら階段を下りていくのが分かった。


いつ会ってもパワフルなお母さんだなぁ…ホント。


こっちの身が持たないよ…。


「……私も帰ろっかな…」


変に茶化されたぶん、いづらいし…。


「もうちょっといれば?桜子と二人で話す機会って意外とないしさ」