大雅に誘われるがまま、駅前のカフェに入る。


テラス席に案内され、柵の外にはさっきまで居た広場が見える。


注文したドリンクが運ばれてくるまでの沈黙が重たかった。   


「アイスココアとアイスコーヒーです」


運ばれてきたココアを一口飲み、緊張をほぐそうてしたけど、無意味だった。 


居心地の悪さは消えない。


そんなどんよりした空気の中、ようやく大雅が口を開いた。


「…無理してる桜ちゃんを見続けるの、しんどい」


大雅はそれだけ言い、コーヒーを口にする。


「…無理なんてしてないよ」


私は大丈夫。


大丈夫だから……。


「ホントに、大雅の勘違─」


「桜ちゃん」


真っ直ぐで、優しくて、でも、力強い瞳。


そんな目をした大雅に見つめられ、思わず身を固めてしまう。