……違うよ。


違うよ、碧。


そうじゃないんだよ…っ。


いつもは私の気持ちを分かってくれるのに、どうして今は分かってくれないの…?


「俺も、桜子に誤解された時、何がなんでも誤解を解きたいって思った。今回もだし、藍沢の時だってそうだ。桜子にだけは勘違いしてほしくない、って」


……それは…。


碧の解釈では……。


「甲子園への思いは本気なんだ。絶対にこの手で掴みとりたい。どんなに過酷な練習でも耐えられる。そんぐらいの熱量を持って毎日練習してる。だから、誤解してほしくないって思った」


そう…だよね…。


碧はもとより恋愛になんて興味がない。


本当に本当に、骨の髄まで野球バカなんだ。


「野球をやめる日が来るまで、彼女は作らない。そう約束するから信じてほしい。よく女子に絡まれるけど、俺に下心はないって信じてほしい」


違う。


私はそのことで怒ってるんじゃないよ…っ。


「口約束じゃ…ダメか…?」