きらめく星と沈黙の月

「ホントすみませんでした!!以後気をつけます!」


1年生が練習場所に戻っていくと、碧は私の顔を覗き込んできた。


「……何」


…違う。


言うべき言葉は“ありがとう”だ。


だけど、さっきまで憎まれ口を叩いていた分、言いづらい。


「怪我は?」


「……ない」


ありがとうって言わなきゃ。


このままだとタイミングを逃してしまう。


「ならよかった。桜子もちゃんと周り見ろよ。どこから飛んでくるか分かんねぇんだから」


「……わかってるよ」


言わなきゃ。


ちゃんと、ありがとうって言わなきゃ。


「あ…碧っ!」


立ち去ろうとする碧の背中に呼び掛ける。


「……ありがと。助かった」


「…おう」


素っ気ない返事だったけど、胸がくすぐったくなる返事だった。