きらめく星と沈黙の月

幼稚な反撃だとは思うけど、私だけがモヤモヤするなんて気に食わない。


「碧が嫉妬すんで。えぇの?」


「ふんっ。あんなヤツどーでもいいっ」


ホントむかつく。


イライラする。


鈴宮さんが抱きついたあのシーンが頭から離れない。


「一個確認なんやけど、桜ちゃんたちって付き合ってんの?」


「はっ!?そんなわけないでしょ!」


あぁもう、すべてにイライラする。


大雅に八つ当たりしてしまっている自覚がある。


けど、とにかくむしゃくしゃして自制が利かない。


「ホンマに?付き合っとんかと思ってた」


「……あの男が私を相手にすると思う?」


こんな悲しくなる質問をさせないでくれ。


碧が好きなのは鈴宮さんみたいな可愛い女の子だ。


私みたいな平凡な女は相手にされない。


そもそも、赤ん坊の頃から一緒にいる人間を恋愛対象で見るはずがない。


「むしろ、桜ちゃん以外見てへんやろアイツ」


……え?


何言ってんだろ。


「からかわないでよ。てか、もう碧の話はしないで。ムカつくから」


碧という単語を聞いただけで苛立ちが募る。


絡めた腕をほどき、2段飛ばしで階段を駆け上る。


大雅は後を追ってこなかった。


“むしろ桜ちゃん以外見てへんやろ”


大雅の言葉だけが私をしつこく追い回すんだ─。