きらめく星と沈黙の月

「やっと1回裏始まるね」


碧のホームランで勢いづいた藤北の攻撃はあれだけでは飽き足りず、5-0にまで得点を伸ばした。


満を持して碧がマウンドに上がる。


さっきまでは藤北の応援歌が盛んに聞こえていたけど、今は逆。


海南側のスタンドで、水色のタオルや旗が激しく揺れている。


ドクン…ドクン…ドクン…っ


大きな歓声にも負けない鼓動がうるさい。


私が大好きだった碧がマウンドに立っている。


私の目の前で、碧が野球をしている。


あれだけ避けてきた、碧の野球姿がここにある。


「……っ」


栗ちゃんのサインに頷き碧が放った豪速球は、綺麗にキャッチャーミットに収まった。


バッターは手も足も出ない様子だ。