思った通り、それから30分もしないうちに陽菜は死にそうな顔をしていた。


窓に全身を委ね、苦しそうに唸っている。


「藍沢、サービスエリア着いたけど大丈夫か?」


碧が私たちの座席を覗き込むようにして話しかけてくれた。


陽菜は来たときよりも何倍もツラそうだ。


1週間の疲れも重なって酔いが激しくなってるのかもしれない。


「桜子、ちょっと退いて」


「あっ…うん…」


半ば強引に席から退かされ、碧がいた席に座り直す。


「悪い藍沢、ちょっと触るぞ」


碧は、陽菜の腕を自分の首に回し、腰を支えて立ち上がらせる。


なんとか外に出た陽菜は、バスを降りた瞬間、その場にしゃがみこんでしまった。