きらめく星と沈黙の月

大雅は湘桜の戦法を惜しみ無く教えてくれた。


湘桜で教わったことも、湘桜の弱点も、その克服方法も。


まるで湘桜に恨みでもあるのかというほど、多くの情報を渡してくれた。


そのおかげで紅白戦のレベルは見違えるほど上がっている。


全員が生き生きとしていて、心から野球を楽しんでいる。 


大雅はそんな部員を眺めながら、どこか寂しそうにしていた。


星空に向かって呟いていた“大事なもん見失うなよ”にはどんな意味があったんだろう。


大雅を野球から遠ざける理由が怪我以外にもあったのかな……。


「何?俺の顔に何かついてる?」


「あっ…いや、なんでもない」


隠しきれない寂しさを見せている大雅が少し気になった。


でも、踏み込めない。


まだ出会って1週間も経っていないのに、プライベートに踏み込めるわけがない。