きらめく星と沈黙の月

恒藤くんには、一定の距離は取りながらも、歩調を合わせてくれる紳士的な一面がある。


だからこそ、警戒心はすっかり消えていた。


「月川桜子!桜って呼んでほしいな」


桜子とだけは呼んでほしくない。


だからいつも自己紹介の時にこう言うようにしている。


「桜ちゃんな。俺は恒藤大雅。大雅でえぇで。あ、それと、ついでに連絡先教えてや。もしかしたらこっちに引っ越してくるかもしれんし」


「あっそうなの?引っ越すから野球辞めちゃったの?」


大雅みたいな才能の塊が野球を辞めるなんて本当にもったいない。


「ううん。怪我。これ以上野球やっとったら生活に支障出るって言われたから」


…怪我……。

 
「昔から肩と肘壊しがちやってん。やのに連投し続けたせいか、この夏急に悪化してもてな。準決でもう投げれへんって抗議したのに、監督が交代させてくれんかってん」


そんな…。