きらめく星と沈黙の月

これで満塁。


しかも、よりによってバッターは4番。


「…碧……」


碧は、勝負を避けた。


3ボール。


また敬遠だ。


碧はこの4番とは勝負しないんだ。


さっきから5番バッターには打たれていない。


だから、確実に抑えられる5番に打順を回したいということだろうか。


押し出しで一点取られたとしても、大量得点を防ぎたい。


4番に打たれることが前提の最も“逃げ”の姿勢の投球。


碧が一番嫌う投球なのに…。


碧がまた、ストライクゾーンから大きく外れたところへ球を投げた。


これで4ー5になるかと思った。


しかし─。


─カッキーンッ


重い雲を掻き分けるような金属音。


「嘘でしょ……」


打ち返された球はどんどん後方へ伸びていく。


打球は左中間に落ち、転がっていく。


その間に一人、二人、そして、三人が帰還した。