「あ…碧!ちょっといい?」


勇気を出して、女子の群れに突っ込んでいく。


「どうかした?」


「ちょっと話が…」


碧の腕を掴み、人気のない渡り廊下まで連れ出す。


「……なに?」


なんとなく、碧の雰囲気に違和感がある。


トゲがあるってほどでもないけど、いつもより壁があるように感じた。


「……あのさ…」


なんて聞けばいいんだろう。


碧の視線がすごくプレッシャーだ。


「…その……」


もう、直球で聞こう。


「オギと…何かあったの?」


勇気を振り絞って尋ねたのに、碧は目を丸くして私を見ていた。


「別に、何もないけど?」


「ホントに?」


喧嘩っていうのは間違いだったのかな?


「よかったぁ…」