「蒼士くんと喧嘩したってホント!?」


昼休みも終わりかけのころ、碧が一人で戻ってきた。


私だって話を聞きたいのに、あっという間に女子に囲まれてしまった。


「別に喧嘩っていう喧嘩じゃないって。ちょっと口論になっただけだから」


オギと碧が口論に…。


私のせいなのかな…。


思い過ごし…?


思い過ごしだったらいいんだけど……。


気になるな…。


「星矢のところ、行ってきなよ。気になってるんでしょ?」


「でも…お取り込み中っぽいし…」


女子に囲まれて質問攻めにあってる。


邪魔していいのかな。


「たぶん、桜が声かけてあげたほうが、星矢も助かると思うよ?」


「そうなのかな」


たしかに、嫌そうな顔はしてる。


「行っておいで!」


トンッと背中を押され、碧の近くに押し出されてしまった。


振り返ると、陽菜が大きく頷いてくれた。