きらめく星と沈黙の月


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そして、それから1週間が過ぎた頃。


そんな男気のカケラもない俺に、ついにチャンスが訪れることになる。


「藍沢、タオルとって」


一足早く夏本番がやって来たような暑さの中やる練習はかなりキツイ。


「はい。ドリンクも」


「サンキュ」


いくら汗を拭いたって、滝のように流れてくるから無駄だ。


「にしても暑いなー」


一応まだ6月だってのに、まるで真夏だ。


「あれ?あそこにいるの、桜と蒼士じゃない?」


グラウンド入り口の階段に並んで座っている男女。


「桜子がこんなところに来るわけないじゃん」


遠目から見ると、たしかにオギと桜子に見えるけど。


「行ってきなって!愛する嫁の登場だよ?」


「はぁ?嫁ってなんだよ」


「桜のことよ。ほら、早く早く」


なんで夫婦扱いなんだよ。


藍沢を軽く睨むと、早く行ってこいと追い払うような手つきをする。