そのためには、桜子と野球の話をしないといけない。


「碧くん…怒ってる?」


「え?」


そのタイミングが全然なくて困ってるのに、こうも邪魔され続けたらイライラもする。


内藤たちに絡まれるだけならまだしも、桜子から睨まれてるのが1番嫌だ。


どうせ俺をまたタラシだって思ってるんだろうなと思うと、すごくイライラしてくる。


「無理やり誘いすぎた…?」


「別に。ただ、俺にも放っといてほしい時はあるからさ」


いつもより少し強めに出ると、内藤は案外簡単に引き下がった。


傷ついていそうな表情をされると、イライラよりも申し訳無さが勝ってしまう。


「ごめんごめん。そんな顔すんなって。埋め合わせはするから」


「ホント!?嬉しい!」


…何やってんだ俺。


内藤たちにもイライラするけど、自分にもイライラする。


こうやって貴重な休み時間が浪費されてしまう。


こんなんじゃ永遠に桜子を誘えない。