きらめく星と沈黙の月

“戦う前に逃げる人間になりたくない”


どんな状況であれ、どんな指示であれ、4番バッター相手に敬遠したがらない碧に理由を聞いたとき、そう言っていた。


戦う前に逃げる人間になりたくない…か。


だったら私も…。


どうなったっていい。


真相を話した方が─。 


そう思った矢先のことだった。


『おい、碧。このグローブ……』


先輩が倉庫の奥から、切り刻まれボロボロになったグローブを持ってきた。


碧が大切にしていた、お父さんからのプレゼント…。


“このグローブ、親父が中学生の時に使ってたのと同じやつなんだ!カッコいいだろ?”


碧は、お父さんから貰った日、満点の笑顔で私に見せびらかしに来た。


貰ってから数週間、毎日私にグローブを見せてくれていた。