『…桜子…お前…』


『違う!私じゃない!私はそんなことしない!!』


碧の目が戸惑いから疑念に変わった。


『なんで嘘つくの…?ひどいよ…っ。だって桜言ってたじゃない…。“碧に近づかないで。近づいたら痛い目見るよ”って…』


そして、疑念が怒りに変わった。


『…とりあえず瑠璃に謝れ』


待ってよ…。


なんで私が…っ。


『瑠璃が私をいじめてたの!私は被害─』


『あたしはそんなことしてない…っ!!全部全部桜の自作自演じゃない……っ。うぅ…うっ…。あたしの何が気に入らないの……?なんであたしばかり目の敵にするの…?もうやだよぉ…っ』


泣き崩れる瑠璃の肩を碧が支えた。


私を睨み付けながら─…。


『……マネの仲間をよくもまぁここまで追い詰めれるな』  


碧は冷たく冷たく言い放った。


碧が私を信じてくれなかったこと、瑠璃を助けようとしていること、すべてが悲しかった。


騙されてるんだよって叫びたい。


でも、私の声に耳を傾けてくれる人なんていない。


碧でさえも……。


どうして碧は私を信じてくれないの…?


どうして瑠璃の言い分だけを鵜呑みにするの…?


どうして私に事実確認もせず、決めつけてかかるの…?


碧ならもっと中立な立場で話して、私のことも信じてくれると思ってたのに…っ。


『…なんで桜子が泣くんだよ。謝ればいい話だろ』


なんで私がこんな女に…っ。