きらめく星と沈黙の月

『もう碧くんに近づかないでもらえる?』


冷ややかな目。


真夏だと言うのに悪寒が走る。


『瑠璃…は、碧のこと好きなの?』


『うん、好きだよ。入学したときからずーっとね。桜は碧くんのこと好きじゃないんでしょ?ただの幼なじみだって言ったもんね?だったら、あたしに譲ってよ』


ズキンズキンと心が痛む。


あぁ、こんなに可愛い子が碧のことを好きなんだ。


そう思うと妙に悲しかった。


『何その顔。やっぱ好きなんだ』


『違っ…誰があんなやつ』


碧はただの幼なじみ。


ずっと一緒にいるただの友達。


恋愛対象なんかじゃない。


『なら決まり。碧くんはあたしのものだから』


勝ち誇ったような笑みを浮かべる瑠璃。


もうあの可愛らしい笑顔は一切なかった。